キリムの産地 ~コーカサス Caucasian・近隣諸国~
Caucasian(コーカサス地方・現アゼルバイジャン)
キリムが織られた時代と現在の国境線が重ならないので、なじみのない地名が多いです。たくさんの民族を抱え、現在も紛争状態にある地域です。
一般にコーカサスとは、現在のアゼルバイジャン、アルメニア、グルジア(現ジョージア)の3カ国を指します。北側のダゲスタンは、現在はロシア共和国です。 トルコから見て、言葉も宗教も違うアルメニア・グルジアのラグは大まかにまとめて「KAZAK(カザック)」と呼ばれます。
Shemakha(シュマッハ)
【デザイン/カラー】
複雑な織りのスマック(soumak)の語源となった町。スマック自体は、カスピ海東側のコーカサス一帯で織られています。
Kuba(クバ)
【デザイン/カラー】
アゼルバイジャン北部からロシアにかけての地域。3mを超える大型のキリムが多い。
レーシングカーを並べたような、ドラゴンモチーフが有名。
Shirvan(シルヴァン)
【デザイン/カラー】
はっきりした色使いと六角形の中のドラゴンモチーフが有名。コーカサスの中では最もクオリティが高い!
Karabagh(カラバー)
【デザイン/カラー】
カラバーという地名は、トルコからロシアにかけての黒海沿岸の広い地域を指す。花をアレンジしたモチーフのキリムが有名。
現在ナゴルノカラバフ共和国という自治国がある。
東欧(モルダヴィア・バルカン半島)
トルコから黒海を挟んで北側に向かい合うモルダヴィア共和国(2018年に独立しました)で、伝統的に装飾用(主に壁に飾る)のキリムが織られてきました。
Mordavia(モルダヴィア)
【デザイン/カラー】
大型のキリムで、黒地に花や鳥などが写実的に描かれています。
【ほかにこの地域の地名】
Transilvania(トランシルヴァニア)現ルーマニア北部
中央アジア・トルクメン
現在は、トルクメニスタン、ウズベキスタン、アフガニスタン、イラン北部に分かれていますが、国境が定まる前は自由にシルクロードを往来していたトルクメン族は、絨毯・キリムともに細かく緻密な織りを得意としてきました。
アフガニスタン(Afgan)/トルクメン族
トルクメン族は、さらに小さないくつかの部族グループに分かれています。トルコでは、ヤムート、テッケ、エルサリなどの部族の名前を耳にしますが、トルクメンでまとめられてしまうことが多い。
【デザイン/カラー】
深い赤。部族ごとに異なるギュルという文様が特徴。
【ほかにこの地域の地名】
Maimana(マイマナ)現アフガニスタン北部
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