蔵出し?袋物のキリムいろいろ
7年間、仕入れに行くたびに、ついつい買ってしまって、そのままお店に積んだままになっていた
袋もののキリムをようやく掲載しました!
コンディションがよいものばかりとはいえませんが、お部屋のアクセサリに工夫してお使いいただければと思っております。
キリム・デコレーション チュアル&ヤストゥク
袋物って何?と思われるかもしれませんが、キリムを織っていた遊牧民たちは、
敷物としてだけでなく、生活のあらゆるシーンでキリムで作った道具を使っていました。
テントの張り地もそうですし、穀物を入れる袋、大切な家財道具を入れる袋、
室内を飾るため(隠すため)の華やかな飾りとして・・・
いろいろな形のキリムは、
もうずいぶん前になりますが、「収納袋大図鑑!」として、こちらのページで紹介しています。
収納袋大図鑑
ここで、今回新たに掲載した袋ものから、いくつか代表的な形を見てゆきます。
チュアル cuval
日本語では、チュワル、チュバルなどとも呼ばれています代表的な収納袋。
英語では strage という言葉に訳されているようです。
トルコ全域で織られていて、エリアと用途によって形状が違っています。
■家財道具を入れる縦型チュアル
主にトルコの西側や南部のエリアで使われていた縦型の大型収納袋
表面はスマック織りになっていて、裏面はボーダーまたは無地のものが多いです。
写真の袋は、左右に取り付けられたベルトもついたままになっているオリジナルの形です。
家財道具をぎゅっと詰め込んで、らくだや馬の背中にくくりつけて、
夏の家へと移動していました。
ヤストゥク Yatık
枕を意味するヤストゥクは、細長い枕形の袋。
■クッションのようにサロンのシートで使われていたヤストゥク
内側に、麦の殻などを入れて、クッションとして使われていたタイプのヤストゥク。
アナトリア(トルコ)中央部、カイセリやシワス地方では、表面にジジムが施され
裏面はシンプルな無地かボーダーデザインが多いようです。
同じ用途で、表面がカーペットで織られたもの広く使われていました。
ヘイベ heybe
英語ではサドルバッグと呼ばれる左右二対になった袋。
トルコでは一般にヘイベと呼ばれますが、イランではホルジン horjin と呼ばれます。
当店ではらくだ用の大型のものを、キャメルバッグと呼んでいます。
■ロバ用のヘイベ
写真は、イラン北西部アゼリー地方のもの。壁にかけて、状差しのように使ったり、
いすの背にかけて便利な小物入れとして使えそうです。
ほかに、袋の間に、鞍にかぶせたときにハンドルが突き出るような形になっているものがあります。
■馬(?)用の大型ヘイベ
このタイプは、主にイラン南西部のカシュカイ族・バクティアリ族のエリアから出るタイプ。
カーペット織りとキリム織りがミックスで使われていて、がっちりとしているのが特徴。
上の写真は、両側にクッションをつめて、フロアアクセサリとして使うイメージにしてみました。
両サイドの縫い合わせ部分をほどいて、長細いランナーのようにしてもお楽しみいただけます。
ソルトバッグ
岩塩を持ち運ぶように作られた塩袋。トルコではほとんど見ることはなく、主にイラン南部の
エリアで使われていました。イランでは ナマクダン と呼ばれます。
表面はジジムやスマックなどを使って装飾的に、裏面はシンプルなボーダーになっているものがほとんどです。
このタイプも、中綿をつめて、コロンとしたクッションのようにすると、なかなかチャーミング♪
ベシック・マフラッシュ
クルドエリア、イラク、イラン南部、アゼルバイジャン地方で見られる箱型に縫製された袋。
箱型になっていて、もはや袋ではない?かもしれませんが、こちらも大切な家財道具を入れる収納ケース。
一枚のキリムが、長方形の両サイドの部分と、それをはさむ底の部分と3分割のデザインで織られ、
底に側面の正方形の小さなピースが加わります。
上の写真は、イラン南部、カシュカイ族のジジム織りのもの。がっちりとした革のベルトが合わさり
頑丈なつくりになっています。
このほか、アゼルバイジャン地方では、繊細なスマックが施された薄手のベシックが、
イラク地方では厚みのあるジジム織りのベシックが一般的に作られていました。
まだまだ、お店に眠っているピースがありますので、ご紹介してゆきますね。
商品はこちらのページからどうぞ。
キリム・デコレーション チュアル&ヤストゥク
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